陥没乳頭の症状
陥没乳頭とは、乳頭が乳房に引き込まれている状態を言いますが、刺激することにより出てくる状態を仮性陥没乳頭、常に埋没してしまってまったく突出しない態を真性陥没乳頭と、分類しています。 仮性陥没乳頭が軽症型と考えられるのに対し、真性陥没乳頭は重症です。
刺激すると乳頭が容易に突出してくる仮性埋没乳頭は、手術適応になることが少ないものの、全く埋没している重症型は、授乳が出来ないということを考えると、手術が必要になることが多いことが知られています。
垢が溜まりやすく炎症を起こすことがある
乳頭が乳房に埋没していると、乳頭周囲に垢や分泌物がたまりやすく衛星が保てない状態になります。そのために乳腺炎などの乳房の炎症にかかりやすくなります。頻回に炎症を繰り返す場合、陥没乳頭の修正が必要です。
授乳できない
授乳時に乳首が出ないと、授乳をすることができません。将来の授乳に備えて陥没乳頭の治療を希望される方が多くいらっしゃいます。
美容的に問題がある
乳頭が乳房内な埋没していると、乳首が無いように見え美容的に見た目が悪いということで、気にされる方がいらっしゃいます。乳首が無いように見えるためにとても気になるという方が、手術を希望されています。
陥没乳頭
術前
術後21日目
28歳、未婚。陥没乳頭
陥没乳頭で悩み、手術を希望した症例です。美容的な問題と、出産後の授乳が心配であり御相談いただきました。診察したところ、両側乳頭が乳房に埋まっていて、刺激しても突出しませんでした。陥没乳頭の手術適応と考え、修正手術を行いました。手術後は平常時でも乳頭が突出するようになり、美容的問題も改善しました。友人と温泉等に、気軽に行けるようになり喜んでいただけたようです。陥没乳頭は軽症の場合を含めると10人に1人程度は症状があると考えられています。決して稀な状態ではありません。陥没乳頭には、刺激すると突出してくる仮性陥没乳頭と、刺激しても乳房に埋まりこんでいる真性陥没乳頭の二つの場合があります。仮性陥没乳頭は、衛生状態を保てるということであれば、そのまま放置しても、多くは問題ありません。しかし刺激しても乳頭が突出しない真性陥没乳頭の場合は、乳頭周囲の皮膚に雑菌が溜まりやすく、急性うっ滞性乳腺炎、急性化膿性乳腺炎、慢性乳腺炎になりやすいことや、授乳が出来ないことから、手術が勧められています。