陥没乳頭の治療法
陥没乳頭手術以外の治療法
軽症の陥没乳頭は、乳頭を吸引する器具により治療できることがあります。乳頭の上にキャップを装着し、注射器で空気を抜き、キャップの中を真空状態にすると、陰圧により乳首が、引かれて突出します 。日常生活で、毎日装着を続けているうちに、徐々に症状が緩和していくというものです。手術に比較すると低コストですが、軽症以外の陥没乳頭ではほとんど効果が無く、効果は限られています。
陥没乳頭の手術法
陥没乳頭で中等症から重度の陥没乳頭は手術適応になります。小さい頃から十数年から二十数年にわたり乳管が縮んだ状態ですので手術はそれほど簡単ではありません。
最初に、乳頭全体に局所麻酔をします。乳頭に糸をかけて乳頭を引き出します。乳頭周囲の皮膚を引き延ばして乳頭を引き出し、乳乳頭根部で後戻りしないように乳頭を固定します。重症の場合は、乳管を損傷しないように、乳管と周囲の組織との癒着を剥がします。後戻り予防のために、乳頭を吊り上げ固定をする場合もあります。
陥没乳頭の完全無痛麻酔
痛みに弱いために、陥没乳頭手術の際の局所麻酔のチクッとした痛みも我慢できないという方には、完全無痛麻酔をご案内可能です。全く痛み無く手術を行うことが出来ます。陥没乳頭の手術を希望しているが、痛みのために手術をしようか、やるまいか迷っている方は、御相談ください。
陥没乳頭
術前
術後62日目
32歳 既婚。陥没乳頭
強い陥没乳頭症状のより、刺激しても全く乳首が出てこなかった症例です。授乳ができないので悩んで、どうしても治したいと御相談頂きました。乳頭の引き込みが強い重症タイプであり、両側とも全く埋まった状態でした。陥没乳頭手術により、きちんと乳首の陥没を解除し、乳頭根部に後戻り防止を施し、乳頭を引き出しました。これで授乳により子育てが出来ると喜んで頂きました。陥没乳頭には、乳首を刺激して簡単に乳頭が突出しその状態が維持できる軽症タイプ、乳頭が突出可能だがすぐに再陥没してしまう中等症タイプ、乳首が全く突出できない重傷タイプがあります。当然ですが、軽症タイプより、重傷タイプの方が手術の難易度は高くなります。重症で陥没乳頭の引き込みが強いケースは、手術後、乳頭が後戻りして、再発することがあります。そのため重症陥没乳頭は後戻りしない様、強く固定する必要があります。重症症例は最初から陥没乳頭を多く手掛けている名医に相談するのがお勧めです。